1. 目的
UA(Universal Analytics)からGA4への移行に伴い、データ取得内容の連続性をレポートを使う側は意識します。Google Analyticsで計測をしているメディアのマーケティングデータの1つである「都道府県情報」の取得状況について検証してみましょう。
2. 取得状況
データスタジオ(Data Portal)を利用して、ダブルタギングしている、あるメディアの都道府県情報の取得率と取得内容を比較してみました。
上部レポートは週次の「Androidアプリ」「iOSアプリ」「PC/SPを含むブラウザ」のそれぞれ都道府県取得率をプロットしています。
下部レポートは、期間(1年間)の同条件で各プラットフォームの都道府県情報の内訳を円グラフで表示しました。
左がGA4で右がUAとなります。指標はユーザーとなります。
※アプリはモバイル、タブレットを含みますがAndroidTVのようなTVデバイスは含みません。
都道府県取得率の計算方法は、都道府県情報が
– not set を含む文字列
– null (空)
– other を含む文字列
などのケースを除いたユーザー数を全体のユーザ数で除法しています
2-1. 比較内容
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取得都道府県情報の内訳は、Webではほぼ相違ないが、アプリでは相違が出てきていそう。
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都道府県情報の年間取得率トレンドは、UAにおいてアプリもWebでもあまり影響を受けていないが、GA4はアプリでは、AndroidとiOSの取得率交互に行き来しており、Webはアプリよりも悪いという結果が出ている。
3. 何故相違があるのか
GA4での IP アドレスの匿名化の方法に関する技術的な説明を参照すると理由がわかります。
この技術的処理の概要は、以下のようになります。
一般的に、IPアドレスは今(3,4年前)まで取得が出来ておりましたが、徐々にIPアドレス自体を取得できない状況になってきていることがわかります。計測時に、全くとらないようにすることもできます。
Googleの属性情報(性別、年齢など)とサービス来訪者を紐づけのため、3rd Party Cookieの収集並びにアプリで端末を特定するための広告識別子の取得も困難になり、IPアドレスもマスキングもしくは取得をしないという風潮になってきております。無理してプライバシー情報の開示、取得を模索するのではなく、このような情報がないことが前提で分析、マーケティング活動が出来る状態を模索していく事が必要と考えます。
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