Googleアナリティクス

正しく登録件数を計測する とは

Googleアナリティクス

はじめに

 Universal Analytics(以降、UA)とGA4ではコンバージョン(以降、CV)のカウント方法が異なるため、考慮が必要です。
UAには「セッション」という考えがあるため、「目標コンバージョン」のカウント方法が、セッション毎に1回となります。これはこの方が集計上都合がよかったため、そのような仕様(ルール)になっています。もし、セッション毎に複数のコンバージョンが発生する場合は、トランザクションを使いましょう。オンラインショップでセッション中に複数の商品を何回かに分けて購入するようなケースです。
 これに対して、GA4はセッション毎にイベントをカウントするという仕様がないため、両ツール(UAとGA4)のコンバージョン数の比較とすると相違が出てきます。

引用:比較表: アナリティクスの「目標」と「トランザクション」、Google 広告の「コンバージョン」のトラッキング方法の違い

 

コンバージョンの計測設計と実装

コンバージョン計測で注意しなくてはいけない点

  • ブラウザのリロード

  • ブラウザのページ戻る→進むの行き来

  • ブラウザの複数タブ表示

  • サーバーサイド処理(データベース書き込みなど)のエラー

基本的には、「重複カウント」の取り扱いを注意する事になります。
最後のサーバーサイド処理のエラーは、何かしらの理由(例:データベースへの書き込み、読み込みが出来なかった。入力されたクレジットカードが無効であった 等)でコンバージョンが成功しなかった場合となります。

 

計測設計と実装

①コンバージョンの計測
コンバージョン処理がサーバーサイドで成功したという内容をクライアントが受信したら、以下のEVENTをクライアントが発火

<script>dataLayer.push = ({
    event = ‘purchase_completion’
});</script>

「登録完了ページが表示された」にすると、リロードがされた場合の処理が必要になります。また、「このページが表示されるかされないか」ではなく、GAでタグを送信する条件は、ブラウザのURL欄が「https://●●」に切り替わったらという設定になると思います。「URLが切り替わる」と「登録完了処理」は別なので正確には、サーバーサイドの登録処理が完了したらという方が適切です。何度も重複登録が出来ないようにサーバーサイドで制御をしてはずなので、タグの発火条件を画面表示やURL切り替えにしないほうがよいと思います。

②登録意思の計測
「クレジットカードで登録」ボタンをクリックしたタイミングで以下のEVENTをクライアントが発火

<script>dataLayer.push = ({
  event = ‘click_purchase’
});</script>

 もう一か所計測をしたほうがよいポイントが、「登録ボタンをクリックした」計測です。これは登録(コンバージョン)が成功したかどうかは関係なく、ユーザーが登録したいと思ったかどうかを計測するためです。
 登録が成功するケースもあるでしょう。しかし、クレジットカードが不正であったり、残高がなかったり、通信環境が悪かったり、決済システムがダウンしていたり、色々なケースで購入が失敗する事があるかもしれませんが、「ユーザーが登録したいと思った」事を計測しましょう。

③登録失敗理由の計測
ユーザーが「クレジットカードで登録」ボタンをクリックしても正常に登録処理が行われなかった時にエラー理由を以下のEVENTで発火

<script>dataLayer.push = ({
   ‘event’: ‘error_purchase’,
   ‘error_reason’: ‘xxxxxxx’,
});</script>

分析

②登録意思の計測

 正常に登録された件数を把握することは勿論大事です、一方で、ユーザーの登録をしたいと思った行動と登録件数は若干件数が異なってくることがあります。
 登録したくても通信環境が不安定であったため登録処理が正常に行われなかった事ありますでしょうか。今日はクレジットカードを持っていないため決済処理が出来なかったなど。これは「購入したいと意思とは、別の登録を阻害する要因です」
 もし、登録を促す施策の効果を検証したいのであれば、登録された件数よりも登録したいと思った件数の方が知りたいと思いませんか?
 登録が正常にいかなかった理由は別途対応しましょう。

③登録失敗理由の計測

 上項の「登録したいと思った件数」と「登録された件数」の差分の発生理由の分析情報です。お客様の要因の可能性もあります。自身のシステム、サーバーの不具合の可能性もあります。どういう要因でどれくらいの回数、登録に失敗しているかを把握し、対応を検討しましょう。
 例えば、クレジットカード情報の入力で何度も失敗をしているケースがあるとします。後日クレジットカード情報の入力が可能なフローも準備し、決済情報なしでサービスで利用できるようにする事も検討が必要かもしれません。※数日の間に入力が確認できない場合はサービスの利用を停止するなどの対応は必要
 また、毎週100件くらいの登録があるサービスに置いて、先週は70件しか登録がなかった。色々な要因を調査すると思いますが、登録処理で失敗しているかどうかをまず確認できるように準備しておくと、外的要因の調査に集中できると思います。

①コンバージョンの計測

  • ブラウザ操作による課題
    2重登録、リロード、ブラウザの戻る進む、複数タブ表示など

  • 登録回数の制限
    資料請求、会員登録などは1人1回の方都合がよいですが、オンラインショップの購入処理などはセッション毎、ユーザー毎に複数回あっても問題ない

  • URLの問題
    Webサイトの作りによっては登録フォームのURLが変わらないケースもあり、URLで登録完了を判断するできない事がある

 色々な要因で正確な登録数(コンバージョン数)をすべてJavaScriptで判別して制御をすることが困難だと思います。ビジネス要件によって、登録件数の要件も変わってきます。可能であれば、クライアント側ですべて制御するのでなく、サーバーサイドの登録処理の成功情報受信をトリガーとしたログ発火を推奨します。UA(トランザクションを利用する)であろうと、GA4であろうと、この方法であれば、要件に従った登録件数を集計できます。

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