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GA4の予測オーディエンスの設定

1. 予測オーディエンス機能とは

GA4で計測したアプリ内、Webサイト内の行動データとGoogleの機械学習技術(Machine Learning)を掛け合わせることで、ユーザーの購入(purchaseなど)可能性や、離脱、収益を予測でき、それらを条件にオーディエンスを作成して分析やGoogle広告の施策に活用できます

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「予測オーディエンス」機能を活用したオーディエンス作成

2. デフォルトで用意されている5つ予測オーディエンス

5つ予測オーディエンス

2-1. 購入とは

GA4で予約されている購入完了イベント purchase/ecommerce_purchase (※valueパラメーター(0より大きい数値)とcurrencyパラメーターが設定されている必要があります) もしくは、OSのストア購入(Google PlayもしくはAppleのApp Storeで処理されるアプリ内購入※定期購入の初回申込みを含む)をFirebase連携している際に自動発火されるイベントである in_app_purchase のこと。併用できずどちらか一方のイベントを利用できます。

※もし両方(purchase/ecommerce_purchase、in_app_purchase)とも計測をしていない場合は、特定のイベントを割り当てることが出来るかもしれません。

3. 想定活用シーン

予測イベントの想定活用シーン

デフォルトの「予測機能」のオーディエンスを元にカスタマイズを出来るので、上記のような設定を追加して利用が出来ます

4. 予測オーディエンス利用における前提条件

予測オーディエンスを正常に利用するためには、以下の条件を満たしている必要があります

1.  GA4で購入イベント(purchase/ecommerce_purchaseイベント OR in_app_purchaseイベント)どちらかが計測されている

2.  過去28日間の7日間で購入(もしくは離脱)イベントを完了したリピーターのユーザー、完了していないリピートユーザーが1,000人以上づつ計測されている

3.  モデルの品質を維持するため、上記1,2の条件を満たした後30日間継続してデータ集計し続けられている。

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対象となる各モデルの予測指標は、アクティブユーザーごとに1日1回生成されます。プロパティのモデルの品質が最小しきい値を下回った場合、対応する予測の更新が自動的に停止され、アナリティクスで予測が利用できなくなります。

4.1 予測オーディエンスの利用状況のパターン

1. すべて利用できるケース
2. 一部利用できるケース
3. 利用できないケース

5. カスタム予測オーディエンス作成方法

5-1. 事前手順

※GA4の設定画面からも同じ設定を行うことが出来ます。以下、Firebaseの設定画面の説明となります。

予測オーディエンスの可能状況の確認をするところまでの手順

  1. Firebase プロジェクトにログインする

  2. 左メニューの「分析」-「Audience」を選択

  3. 右上にある青いボタン「オーディエンス」から新しいオーディエンスを作る

  4. オーディエンスの新規作成エリア内のオーディエンス候補メニュー内に「予測可能」があることを確認して選択

  5. 利用可能な予測オーディエンスのリストが現状最大5個表示される。利用できないものは利用条件のステータスが「利用不可」になる。上記(4.予測オーディエンス利用における前提条件)を満たせなくなったケースと考えられる。手動による回避策はなく設定タイミングとトラフィック量によって、このステータスは変更される。

注記:オーディエンスを利用中に「利用不可」になった場合の例:
予測オーディエンスを使ったGoogle広告のリマーケティング施策を実施(Google広告キャンペーンの実施)中に「利用不可」になった場合、リマーケティング用のオーディエンスリストが0になりGoogle広告のキャンペーン実質停止したことになる。

事前の手順

5-2. カスタム予測オーディエンスの作成手順

5つの予測可能なオーディエンスのステータスが、「利用可能」の場合、オーディエンスをクリックできます。その後の手順について説明します

  1. 例えば、「7日以内に購入する可能性が高い既存顧客」という予測オーディエンスを選択します

  2. 通常のオーディエンス設定画面と同じで、「アプリ内購入の可能性」というディメンジョンと条件「が90パーセンタイルよりも大きい」という条件が確認できます。これが「7日以内に購入する可能性が高い既存顧客」というオーディエンスの設定内容となります。

  3. 此処でできること(カスタマイズ)は、3つあり、
    ①オーディエンス設定に追加条件を付ける事
    ②可能性の値を調整する
    ③イベント化する
    の3点となります。

  4. ①オーディエンス設定の追加条件の例としては、
    例えば、年齢などの条件を追加することが出来ます。他にも新規ユーザー(今週初めて来訪したユーザー)に絞ったり、アプリ内購入の条件に金額1,000円以上という条件を付けることもできます。

  5. ②可能性の値を調整する方法としては、
    「90パーセンタイル」という箇所をクリックすると、Configure predictionという画面が開き、90%の部分を変更できます。例えば、98%に変更することで、より確度が高いオーディエンスリストにすることもできます。また、Custom設定で1-90%と設定することでアプリ内購入しずらいオーディエンスリストを作成することもできます。

  6. ③オーディエンスのイベント化は、
    「オーディエンストリガー」というラベルの+新規作成をクリックして、新しい名前を付けると「オーディエンストリガーイベント」を作成することが出来ます。このオーディンエス条件に至った条件(Trigger)でイベントを発行する仕組みになります。詳細は別途

カスタム予測オーディンスの作成手順

– 予測オーディエンスの可能性について
・「しやすい」のuser rangeが設定画面からできるようなった(2021年10月)
・この「しやすい」は99%するわけではなく(可能性ではない)、しやすい順にユーザーを並べた際の上位1%という意味である。つまり、本当に購入しやすいユーザリストかどうかというのは不明であくまでも設定した条件で上位〇%をセグメントしただけとなる。

6. 最後に

 UA(Universal Analytics)からGA4への移行で一番大きな変化であり、パワフルな機能の1つである「オーディエンス」。GoogleのMachine Learningと融合することで予測オーディエンスが一般(無料)ユーザーでも利用が出来るようになった事と、オーディエンス条件をトリガーにイベント化できるオーディエンストリガーイベントはとてもパワフルな機能である。
このAudienceの設定には、SDKが自動で収集するイベントが活用できる事と、将来的には、Google Marketing PlatformやFirebaseと連携することで、ABテスト(Google OptimizeやRemote Config)、Notification(Push)、MA(Salesforce.comなど)などユーザーエクスペリエンスの改善とシームレスに連携することが想像できる。
 今までのUAも有償版であれば収集されたデータをGCP(BigQuery)にデータ連携(インポート)することができて、色々な分析が可能でしたが、そのためには、GAとGCPを繋げて、分析をすることができるヒューマンリソースを確保し、その作業を自動化するまでの開発、運用、メンテナンスが必要になる。サービス独自の要件をまとめて、データサイエンティストやMLエンジニアを手配することが出来ても、それを構築するまで数か月から1年くらい必要となるであろう。Googleはこの仕組みをデータ収集状況を把握していることが前提であるが、ビジネス要件定義できるマーケター主導で活用できる環境を提供していることに意味がある。
 GA4はデータ収集、分析ツールに留まらず、マーケティング活動をしてユーザエクスペリエンスを改善、最大化することを目的にしたプラットフォームなのである。

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