はじめに
GA4の機能、仕様という点での徐々に理解は進んでいると思います。一方でUAからGA4への移管を行っている中で感じたGA4というプラットフォームと昨今のデータガバナンスへの対応について、どのように感じておりますでしょうか。データ活用の概念を見直す良いタイミングになったか、今までやっていたことの延長であり既定路線通りであったか。立場や役割によって感じるポイントは異なると思いますが、データは繋げて関係付けて情報にすることで、価値が出てくる点は変わりません。
一方で関心が高まっているプライバシーは透明性とユーザー自身による選択と操作によって守られるものであり、クロスデータ、データコネクトといった連続したデータの管理や計測とは、相反しているのは事実です。
果たして、10,000円のビデオゲームを購入するのに、68日間かけて80回も接触してきているユーザーの一連の行動を、我々は今まで行ってきたクロス集計でユーザーを理解しニーズを捉えて、コントロールすることができるのでしょうか。ローズは元々ビデオゲームを欲しがっていなかったかもしれません。。少し科学の力を借りないと今までのやり方では通用しないかもしれません。
GA4への質問あれこれ
GA4導入に携わった皆様への質問となります。自問自答しており情報としてまとめている部分もあります。
①GA4にデータ送信してはいけないユーザー識別情報(個人情報)とは?
それ単体で個人の特定、個人への接触、個人の所在地の特定を可能にするものと解釈しています。
-
メールアドレス
-
住所
-
電話番号
-
高精度な位置情報
-
フルネームやユーザー名
- 社会保険番号(マイナンバーなど)
個人情報として解釈しない例としては、以下のようなものがあります。
-
仮名化されたCookie ID
-
仮名化された広告ID
- IPアドレス
- その他の仮名化されたエンドユーザー識別情報
※仮名化とは:他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないように加工された個人情報のこと
また、ソルト付きでハッシュ化された個人情報はGoogleアナリティクスに送信することができます。
以下のような個人の属性情報も個人情報としては解釈されないですね
なお、Google が個人情報と解釈していないデータであっても、GDPR などのプライバシー法の下では、個人データや個人情報とみなされることがあります。この記事は、これらの法律の下での個人データや個人情報に関連する契約条項やポリシーに影響を与えるものではありません。
②複数デバイスの情報をGA4で収集した場合、どのような分析・改善例がありますか
-
ここでいうデバイスというのは、”パソコンWebとスマホWebとスマホアプリとTVデバイス”のような粒度。パソコンWebとスマホWebを区別している理由は、やはりデバイスが異なるため。逆にデバイスは一緒にもかかわらず、スマホWebとスマホアプリを区別している理由は、スマホには必ず、標準ブラウザというものがあり、アプリをインストールしなくてもスマホWebでサービスを提供していれば、ユーザーとの接点は作れる。アプリのダウンロードには至っていないユーザーと分けるためです。
-
既知&想定内
-
複数のデバイスを使っているユーザーのロイヤルティは高い
-
デバイス毎に利用方法が異なっている
-
機械学習を使う分析をする際に複数のデバイスの行動ログを使う
-
ユーザー行動を分析する際にデバイス情報でセグメントするのではなく、特徴量として扱う。サービス側は複数デバイスで利用できるようサービスを提供する
-
デバイスによって、利用できる広告が限られる
-
初めてサービスを使う際のデバイスによって、流入経路やその後の体験が異なる
-
-
ゴールは?
-
複数のデバイスを使ってもらう事になるのか?それとも可処分時間
- スマホWebのユーザーにどのようにスマホアプリ利用者になってもらうか
- 複数デバイスを使ってもらうために必要な体験(マイページや履歴など)
-
③Googleシグナルを有効にしてよかった事例
- 既知&想定内
- userIdを採用していないサービスにおいてリピートユーザとして扱うことができて、分析、UX改善効果が高い
- Google広告との連携時のユーザー紐づけ割合が高くなり、リマーケティング対象、コンバージョン数が増える
- GoogleシグナルとuserIdの併用も考えられるが、ユーザー認証が適切にできているのであれば、userId一本で集計し、Googleシグナルのお世話になる必要ななさそう
④セッションスコープ指標(セッション数、直帰、滞在時間など)からの脱却について
- 代わりに「エンゲージメント」という指標が登場したに評価を変えてみたけれど良かった点、悪かった点
- “ランディングページ”,”流入情報”というディメンジョンもセッションスコープで使われてきた情報。広告コストというVALUEをどこかに成果、効率という評価しやすいルールに紐づける必要が現場にはある
- UAからGA4に切り替わった際に、辞書的な機能の説明よりも、今まで行ってきたデジタルマーケティングが採用している評価方法をどのように変えるべきかを決め切る方が重要
⑤レポートが締まるタイミングが遅くなった事への対応
- 最大72時間かかるという点への現場の声やレポート活用頻度の変化
- 困った事。回避策など
⑥リアルタイムレポートの違い
- UAのリアルタイムレポートとの違いで困った事。回避策など
- BigQueryのストリーミング エクスポートデータが最も扱いやすそう
⑦GA4の機械学習機能の活用例
-
予測指標、予測オーディエンスが目に見える機能。それ以外はなにかGA4でよかったMLの活用
-
では、上記の予測指標、予測オーディエンスを使いたいでしょうか。そのためには、レポートもしくはGoogle広告、ABテストなどが活用例となりますが、どこに活用できそうでしょうか
-
予測の機能を活用するためには、条件があります。満たす努力はできそうでしょうか。何が一番ボトルネックになっていますか
⑧UAからGA4に移行するのにかかった日数と作業内容
-
想定される移行工程は以下のようなもの。他にもあると思いますので補足をしてほしい
-
今までのUAを使っていた現場へニーズのヒアリング
-
上司へ予算と目的とスケジュールの説明と承認
-
タグの設計(命名、発火タイミング)
-
GTMやGA4の設定
-
実装(テスト&リリース)
-
データインポートやBigQueryなどの運用設計と設定
-
レポート作成
-
現場への周知とレクチャー
-
見直しが必要な場合は運用フローの決定と周知
-
UAのクロージング
-
- 苦労した点と、良かった点。
- Cost benefitはUA時運用時とGA4運用時にどのように変わったのか。インフラコストという面と組織運営という面で変化がありますか
⑨GAと連携しているサービス
-
目的と連携したことでどのような効果があるのか。サービス、機能と効果(事業、コストインパクト)
- データの入出力:
MP(Measurement Protocol)、データインポート、BIツール(Looker Studio)、Reporting API v4、BigQuery Export - マーケティング:
GMP製品群、MA、CRM、Search Console - GCP:※データレイク以外
Firebaseなど - その他:
- 特にGoogle広告以外の出稿先との連携はどのようにしているのでしょうか。予測オーディエンスや予測イベントはGMP内でしか利用ができない。他のメディアやSNSをミックスした環境で最適化ができないとあまり意味がないのではないか
⑩データガバナンス組織の対応
-
UAからGA4移行に伴に、なにか変わりましたか
-
それとも時期的にそういう(プライバシーポリシー)を考慮する必要ができてきたのでしょうか。
-
データガバナンス組織は何に対してルールを作って運用しているか。その組織はどのような組織でデータの扱いという点ではどのような責任を持つのか
コメント